未来:青の世界
Illust. 藤真拓哉
[ 2015.04.02 掲載 ]
状況
世界のほぼ全域をスーパーコンピュータ シャスターによって支配された未来では、都市部の住人たちはシャスターが管理する工場で生産されたクローン人間たちに取って代わられている。
クローン人間たちは現代の我々と同じように仕事をし普通に生活をしているように見える。
しかし、その行動はシャスターによってプログラムされ、コントロールされたもの。
仮にいさかいが起きたとしても、治安維持部隊が該当者を迅速に処理する。
もちろん戦闘用のバトルドレスは厳格に管理され、一般のクローン人間には入手不可能である。
また彼らは生殖能力をも奪われており、自由に子孫を残すことさえできない。
事実上、シャスターに反旗を翻そうとするクローン人間は皆無と言えるだろう。
このように青の世界は治安が良く、現代よりも平和そうに見える。
だが、一歩、都市の外に出れば、そこではシャスター側の治安維持部隊と機械の支配から逃れようとしている非クローン人間たちとの泥沼の戦争が続いているのだ。
人間たちは山間部、砂漠、海などに逃れ、生き残りを賭けた戦いを続けているが、その中でも最大の勢力が、海に逃れた者たち…… マーメイドである。
戦争の初期段階こそ人間側も大型の兵器で対抗していたが、最終兵器・メタルフォートレス部隊の総攻撃により甚大な被害を受けてしまった。
大規模戦闘が行われなくなって以降、メタルフォートレス出動の機会は徐々に減っていった。
苦境に立たされたマーメイドはやがて水中行動に特化したバトルドレスを開発し、主に海上で治安維持部隊との小競り合いを繰り広げるようになった。
捕獲したキラーマシーンを再プログラムして都市部を攻撃させることもあるという。
治安維持部隊のバトルドレスたちは、マーメイドによって暴走させられたキラーマシーンを鎮圧する任務も担っているが、現代を通じて異世界に至るブラックポイントが開いて以降、マーメイド以外の何者かによってキラーマシーンが暴走させられる事件も頻発しており、異世界からの攻撃が疑われている。
ブラックポイントの発生した現代において、異世界との抗争が勃発したことは、青の世界各地でスリープしていたメタルフォートレスが活動を再開するきっかけともなった。